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2014-08-09 [長年日記]

[] 『菊と刀』(R.ベネディクト、長谷川松浩訳)

今更感たっぷりに読んでいる。やはり古典として名評があるだけある。一般教養として読むことを義務付けてもいいんじゃないか。いや、内容が正確無比だからとか自己反省になるだとかいうわけじゃない。自分(日本人)のことは自分自身にはわからない・自分以外のほうが本質を的確に見抜ける場合があるということがよくわかるので。他人の目を通して自分自身を客観的に見るという体験ができるところがよい。もっと早くに読んでいればなあと思う。

まだ半分しか読んでないけれどもいちいち頷くところがある。日本人は階級制度の中に居場所を求め、居場所があることに安心する。そんな階級制度を他国に押し付けようとしたのが太平洋戦争だと。アメリカはそれに対して自由主義を押し付けて対抗した。そら喧嘩になるわと思う。自由を守るためにどこへでも押しかけていって戦うという姿勢が50数年を経た今でも変わらないのが芯だよなと思う一方可笑しくもある。

恩すなわち債務だという説も膝を打った。端的でわかりやすい。道理で食いしばる歯が擦り減っていくわけだ。ただそれを単純に経済的な観点にあてはめられるだろうか。恩と義務とが金銭的損得勘定と直結しているだろうか。必ずしもそればかりじゃない気がする(結びつかないのが「仁」だったっけか)。

これが書かれた後、日本は世界に名だたる経済大国になったのだけれども、その劇的な変化も案外奇跡じゃなくて、昔からそんな180度転換がうまい民族だったのであって、必然だったのかも知れないと思った。明治維新とか大正デモクラシーとか。一度方向が変われば付和雷同して一斉にそっちを向ける国民性。同じようなファッションで同じような流行を追い人がしていることは自分もやりたい人にやらせたい長いもので巻いたげなければならないという性質は、国にとっては舵取りしやすかろう。

階級に安息しているんでなくて、それしか知らないから階級外に置かれた時に困惑する。いま自分は階級外にいても無視しても平穏でいられるようになった。いくぶんかは。その状態から何をするかが最大の問題。

訳がさすがに古いと感じた。もとの英文が癖がありそうな感じがする。直訳気味にしないと文にならないあの感じ。誰が意訳の上手い人が、平易な言葉で訳し直してみてもいいんじゃないか。


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