nagajisの日不定記。
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そういえば大阪窯業の断面はまじまじ卍と見たことがない、ということで、先日採取しておいた角丸異形を割ってみた。呆れるほどに普通だった。胎土は見事な赤色で、そこに白い結晶粒がかなり多量に入っている。この白い粒、ずっと石英だと思っていたけれど、どうもそうではないようだ。石英粒もあるにはあるが長石のほうが多く大きいようである。
胎土はほぼ純粋な赤色粘土。斑はまったく入っていないといっていい状態。ただし上述長石粒はたくさん見られ、また長径1cmくらいはありそうな小石、5mm前後の黒褐色の石粒、白い胎土の塊?が含まれていたりする。岸和田や日本煉瓦の手製系の斑入りのような明瞭な層は存在しない。そのくせ表面は手整形煉瓦特有の擦痕があるし小口長手はザラザラだし裏面には筋に近い段があったりして、外見からは手成形としか見えないのであった(但し長手にシワはない)。
この塊の状態をうまく説明することができない。わずかに見られた斑の筋(小口の中間点付近に長手方向に1cmほど伸びている)が平→平に流れていたならば、機械成形の荒地を手で整形したものと言われないこともないのだが、そうはなっていないのである。小口に対して垂直方向(“⊥小口”)、平に対して並行(“//平”)の筋である。岸和田の機械成形は“⊥平”で、小口に平行するものと長手に平行するものが混在している。“//小口”と”//長手”が存在する。要するにロの字型。
一番知りたいと思っていた角丸の部分、45度に割って確認したにも関わらず、半枡断面と何ら変わりがなかった。断面の凹凸にも明瞭な傾向はなし。まるで機械成形煉瓦の断面。機械でよく練った土を木枠に詰めてぎうぎうしたらこうなるのかも知れぬ。
あるいはプレス成形がこれに近いか、と思ったらB.C.H.J.は函的であるのだなあ。//小口にしか割っていないが断面の斑は函だ。
もいちど整理。今回の大阪窯業角丸異形は“⊥小口・//平”。厳密に書けば“⊥小口・//平・⊥長手”になるのか。岸和田機械成形は“⊥平・//長手・//小口”。
あー、この表記、結構うまい発明と思ったんだけど、函状態を端的に書き表せないな。//平・長手・小口としたら箱になってしまう。そういう状態はないわけじゃないが特殊過ぎる。
A面が函の底なのか、B面が底なのかで表すか。平・長手・小口を固定して“A//://://”とか“B//://://”とか書いたらいいのか。大阪窯業角丸は“//:⊥:⊥”、岸和田機械成形は“⊥://://”。