nagajisの日不定記。
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何か狙いがあったわけではなく、いつか林業の話をする時に使えるかも知れないという程度の理由で捕獲したもの。後になって意外と面白いものであることを知った。
王子製紙は三井系の製紙会社。明治20年代に天竜川流域の山林を購入し、気田工場、中部工場を建設したが、度重なる水害で思うように利益があげられなかったので北海道へ進出した。いろいろな難局を経て明治43年に苫小牧工場が完成。この時置かれたのが絵葉書にある142インチ幅の抄紙機だった。
142インチ機はアメリカからの輸入物で、当時最大・最新鋭のマシーン。このサイズの抄紙機としては日本で初めて導入されたものだという(従来の輸入機は100インチ幅。苫小牧工場には142インチ機と100インチ機が2台ずつ設置された)。以降苫小牧工場は砕木パルプを原料とする新聞用紙製造が行なわれ、新聞用紙の国産供給を可能にしたのだった。それまで新聞用紙は輸入に頼っていたのだ。
絵葉書の宛名面には王子製紙苫小牧工場のスタンプが押してある。12.3.8という日付があって、おそらく昭和のものと思われる(葉書のフォーマットも昭和系だ)。それからすると後年リプレースされたものである可能性もなきにしもあらず。詳しくはツッコまない。