nagajisの日不定記。
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「泉州の煉瓦生産と陸軍由良要塞」では長手につく焼き目の数で生産工場を区別できる可能性が指摘されている。煉瓦を窯で焼く時に井桁に積み上げて焼くため煉瓦同士が接するところとそうでない所で焼き色に違いが出たり凹んで段がついたりする。工場によって積み重ね方が違うためそれが判断材料になるという。
具体的には長手に2筋の型がつく(2つの煉瓦に長手を載せて焼く)のは大阪窯業と岸和田煉瓦で「2本組」と称し、それ以外は3筋(3本の煉瓦に載せて焼く)ので「3本組」と。
自分はそこまで考えたことがなかったので、なるほどそういう見方があるものかと思ったものだが、実際にそうなっているかどうかは未だ納得していない。確かに焼く工程は煉瓦生産の要であって工場ごとに仕手があったと思うけれども、その工場のすべての煉瓦が同じように積んで焼かれたものかどうか。窯の天井がアーチ状になっているのでそれに合わせて積んでいけば重ね方が変わってきそうな気がするし、そもそもホフマン窯の端のカーブしている部分では正確な格子積みをすることができない。煉瓦の長手同士を斜めに重ねるような場面もあったはずで、実際そのような斜めの型のついた煉瓦を見たこともある。自分の気付かなかったことを指摘された時の、悔しさと反省の入り交じったような気分で、そんな意見を延べてみるけれども、その意見だって別に実現場を見て言っているわけじゃないからな、反証というほどのものでもなく、とすればますます意固地なニエットにしかならぬのだった。
そんなら自分で確かめてみればいいじゃんか、と思い、写真フォルダを漁ってみたけれども、これといったものが見つからなかった。刻印は写してても長手がわかるような写真が少ない(上記の説を知ってから撮るようにしていたつもりなんだがなあ。大阪窯業や岸和田煉瓦は飽きるほど見つかるのでその都度撮ったりしていないのだ)。それ以外のだと確かに3本線が多く見つかる。友ヶ島第4砲台の堺煉瓦だとか、虎島堡塁の厠とか。手元にある大阪窯業刻印煉瓦も両端で接した一応の2本組であった。しかし、岡町では六稜星刻印煉瓦で2本組のものがある。
展示までに一度徹底的に洗ってみるか。。。幸い大阪窯業のサンプルは岡町のあちこちに存在している。手元にもまだいくつかあったはずだ。