nagajisの日不定記。
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もう少し粘土の流れがわかるものがほしい、と思い、2個めの煉瓦割に挑戦した。採取し清掃したものの刻印が不鮮明でサンプル資料にならなかった煉瓦の中に、角が大きく欠けて斑が見えているものがあったので、これを割ってみたのだ。
若干無駄に欠いてしまったところもあるがおおむね希望通りのカットを施すことに成功。そうして希望通りの斑が確認できた。写真を撮ろうとしたのだが室内灯ではうまくいかず。後日また掲げる。
この煉瓦は表裏に刻印がある。そうして粘土のながれは前回堺煉瓦とは逆になっているのが興味深い。きれいに整えられた「表」の側に斑の層ができていて、裏から表に向けて粘土を打ち込んだように見えるのだ。これは「裏から打ち込んだ」というべきものではなくて、型枠に打ち込んだあと裏返し、裏面も撫でて整形した---それが最終状態としての表になったと考えるべきだと思われる。堺煉瓦は打ち込んだ時の表を表として仕上げてある。そうしてその面に刻印が打たれている。今回割った煉瓦には表裏に刻印があり、だとすると「型枠に詰める」→「コビキで切り、撫でる」→打刻→「ひっくり返す」→「裏面を撫でて整える」→打刻、というシーケンスと考えられる。堺煉瓦は「型枠に詰める」→「コビキで切り、撫でる」→打刻、で終わっているのではないか(その後取り板に取って一次乾燥へ)。
どちらの煉瓦にも裏面の筋があることも興味深い。粘土を打ち込んだ方向とは無関係に、手抜きシーケンスの最終状態の裏面に入っているのは両者共通するわけで、だとすれば手抜きシーケンスより以降のどこかで入ったと考えるのが素直だろうと思う。