nagajisの日不定記。
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明治30~大正初期の六大工場の設備動向を追いかける。死ぬ。
桃山+泉北=和泉=大阪窯業岸和田工場であるはずなのだが泉北を入れるの忘れた。泉北は会社のみかも知らぬ。
M40工場通覧で堺煉瓦が動力を導入していたことに今更気づく。そうなのだ。大阪の工場ははじめそこまで拾っていなかったのだ。始めた当時の手抜きが今頃になって悪さをしよる。逆別天神。
結局、M40前後に成形機械を使っていたのは大阪窯業と岸和田煉瓦と堺煉瓦だけであった。堺煉瓦は数年で動力が減少しているのが意味深。はじめの数年だけ成形機械を動かして、それ以降はミルだけとかになった可能性がある。だとするとその数年の間に桜刻印を使っていて、また五本線に戻ったとか、あり得るかも知れない。ついでにいうと五本線刻印を桜と見誤った人を2人以上知っている。五本線→桜という連想はまったく空疎な空想にはあらざるなり。
化粧煉瓦は乾式で作った可能性がある。乾式のプレス成形。湿式も側面はきれいだがあれほどツルツルにはならぬ筈。絞り金で擦るから。んでT2に所有していたボイド社製乾式製造機が怪しい。してこのボイド社製乾式製造機、馬鹿の一つ覚えのArchive.orgで発見した。少し分かりづらいがYoutubeの乾式製造機の動画と合わせて読むと吉。
そうか。乾式だと素地の時点でカチカチなんだ。エッジが立っているはずなんだ。時計店の煉瓦みたいに面取りされることはない。
乾式かどうかはやはり割らねばならぬか。大阪窯業異形も、あれも乾式か。樽井のプレス成形のピタッと吸い付くような肌も結局は乾式であるからか。んじゃBCHJはなぜライナーがあった? 英国製半乾式だからじゃな。
せやねん洲本アルチザンスクエアには堺煉瓦がなかってん。堺煉瓦だけがなかってん。
ne・mu・i.
やっぱりあの一個は割るべきであった。断面で判断しなければならんかった。どっちだったか忘れたが、切断痕は小口にあった。長手で切ったのではないんだ。それが116mm半枡なら全形を切って目地分も外して枡2個できる。
大阪に品川白煉瓦の分工場ができるのは明治38年だったか39年だったか。タイル型の化粧煉瓦が出てくるのはそれ以降。
6年前、薬水橋梁で、自分はいったい何を見てしまったんだろう。
薬水橋梁に堺煉瓦の刻印煉瓦があったのは記録に残している。その前に何か怪しい刻印を見た気がしている。それが表面の機械成形煉瓦のほうに押されていた気がする。ようわからん、あるわけがない、って無視した気がする。
それが機械成形煉瓦に押された桜型刻印だった気が、今頃になってしているのである。そしてそれが事実なら、京文博の謎が解けるのである。
明治40年代に建造された構造物の堺煉瓦の刻印ェ…。薬水橋梁はT1だけどさ。
●煉瓦製造組合 京都にては近来各工場の建築増加せるより煉瓦の需用多く随て其製造所も益々増加し目今に至りては二十余ケ所の多きに達したるが其間漸やく競争の弊を生じ争うて代価を下落せしむるの結果製品粗悪に流れ同業全体の不面目を来たすを以て今回此弊害を矯正する為め同業組合を組織し規約を設け府知事の認可を受くることにせんとて同業者等目下協議中なりと云う (大阪毎日 M30.4.8)
●煉瓦製造業の前途 近時鉄道建築修港其他諸工業の発達と共に煉瓦の需用非常に増加し一時は其供給著るしく欠乏を告げたる為め其価格頗る昂騰し従って昨年下半季以来は当業者の利益もなかなかに多かりしが其結果として従来の煉瓦製造会社は多く其業務を開張し且新設の諸会社至る処に勃興し現に当府下のみにても昨年来の新設に係るもの二十数社内外に達し尚昨今新設中のもの十幾社の多きに及べる由にて此他中国四国等にて各地に新設の製造会社を見るに至れりしかして右の諸会社は将に起らんとする鉄道工事を見込めるものも少なからずと雖も当府近傍のものは十中の七八迄は大阪築港を予想するものの由なるが兎に角将来に於ける煉瓦の供給は非常の巨額に達するなるべし若し果して以上の諸製造会社が予定の如く何れも実際製造に従事する暁に際せば或は供給の需用に超過すること甚だ著るしきに至るやも計り知るべからずして数年以前に於る煉瓦製造業の大恐慌を再襲することなきを必すべからずとて機敏なる当業者中には早くも製造額を手控え厳に粗製を戒めつつある向も少からずと聞くそれかあらぬか現に昨今の如きは前途供給の稍々潤沢を見込たれば客(かく)月上半の相場を以て之を本月上半に比較するときは一割半内外を下落し今後も尚一層の低落は免れざるならんとの噂あり但し耐火煉瓦に至りては少しく趣を異にする点もあり供給をして増加せざるに需用は次第に増加し中には上海地方へ輸出する向もありて前途頗る好況なりと云う (大阪毎日M30.6.12)
●鑿岩機の製造 隧道等を鑿開するに最も便利なる鑿岩機は是迄本邦にて製作する所なく輸入を仰ぎ居りしも高価なる為之を使用する者稀なりしが当地株式会社朝日商社鉄道用機械製造所に於ては今回阪鶴鉄道会社よりの注文に依り試ろみに六台を製作せしに結果頗る良好にして阪鶴鉄道にては去る一日より之を生瀬隧道の開鑿に使用し居るが人力及び経費を省き甚だ便利なりと又山陽鉄道にても該機六台を同社に注文したりと而して価格は輸入品に比すれば凡そ半額位なりと云う (大阪朝日新聞M30.7.7.3面)
地味に貴重な情報。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/807148/137
●明治三十年三月八日登記済に付左に其事項を公告す 堺区裁判所長承寺出張所 ○社名 摂津煉火株式会社○営業所大阪府泉北郡浜寺村大字船尾七百四番七百五番地 (以下略)(大阪毎日M30.3.11 4面)
●摂津煉瓦株式会社(解散) は本年三月中よる営業を開始し居りしが今回任意解散することとなり昨日解散届を府庁に差出したり (大阪毎日M30.10.■日(金曜)
くっそ、紙面データの日のところが欠けとーる。
やっと思い出した…神大新聞記事文庫だ!
煉瓦は投機的事業
総ての工業界が一般経済界の消長とその軌を一にすべきは論を俟たざるも殊に煉瓦市価の昂低は最も迅速且甚だしきものにして例えば去る四十年の財界沸騰当時十六円の最高値を唱えしもの四十二年は僅かに九円に暴落し殆ど半額に近き市価を現出し亦昨年十四円台を往来せしもの昨今又々財界の銷沈に連れ十一円台に低落し居如く如何に其昂低の甚だしきを知べし随って同事業の経営は頗る至難を極め平凡真面目一方の経営にては到底成績を収むる能わず常に大勢を達観し悲境に狼狽せず慎重なる態度を要する一面に人意的市価昂上策とし反対に製造業者より内々買占を為し以て一般市価の昂騰を招致し景気回復を企画する必要もあり亦自己製造の煉瓦にて損失するも買占煉瓦にて反対に利潤を計上し得ることとなり要するに投機的性質を帯ぶる事業なれば一歩経営を誤らば財界の□潮季に悲境季の契約品を製造するという馬鹿を見常に損害を計上するの不幸に陥ることなしとせず現に煉瓦会社の大半が損失を免れざるに徴しその経営困難なるを想うべし (強調筆者 大阪新報T12.8.12)
あーすっきりしたぁ。