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旧道倶樂部録"

nagajis不定記。
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2007-06-21 作業報国 この日を編集

 ま、何やっても国の為にはならんのだけどね。エントロピーを増大させる(=人間的活動をしない)のには協力するがな。

 アンケートが没になり急遽作成しなおし。ご意見・ご感想を尋ねるだけのさみしいものになる予定。すまんのうゴホゴホ。

[企画] OFF会につき

 しおりは地形図を入手すれば完成。明日には公開できれば・・・。各自印刷してお持ちいただく、と。

 今の所、ヨッキ氏、tori氏、謎の自衛官氏、張子の虎氏、あきら氏が参加されるかも知れない。その他参加される方はnagajis@the-orj.orgまで一報いただけると(私が)安心します。といった事務連絡は改めてwhatsnewか掲示板で。

 集合は車・バイクの方は1日10時に清滝にて集合。自転車・徒歩組は9時に京福電鉄嵐山駅集合で清滝に向かう。

 嵐山から清滝までの平坦線はそれほど見どころはないようだ。せいぜい清滝トンネルと、清滝駅跡のレール流用ガードレール?くらいではなかろうか。なので車の方は素通りして清滝で待っていただいたほうが早いと思う。狭いしね。

 索道線を登り、愛宕駅周辺を散策。登山道で下山。時間があれば清滝周辺の散策。そういえば清滝発電所も明治年間に作られた古いものだったな。

[懐古] 2002年ダイジェスト

6月13日
余りの荷の重さにザックを放棄。2年後に取りに行くが無くなっていた。単パンのまま芦原峠に突っ込み草負けする。壷坂峠を越えて奈良県津風呂ダム脇に泊。この頃から蕁麻疹が出始める。
6月14日
鹿路トンネル→竜在峠←→細峠→芋ヶ峠で再びダム脇泊。鹿路トンネルの急勾配+簡易舗装の○○○の連なり+トンネル前の溝に何故か赤フナがいたこと以外はほとんど記憶に残っていない。いや、明日香村の民家の玄関に手形にシャモジを添えた張り紙があったな。八十八才と書いてあったから、この地方では米寿のおまじないなのだろう。いろんな変化があるものだ(c.f.クツメキ御免by柳田翁)。
6月15日
この辺りからようやく足が回り始める。√370、√166等を経て御杖村。この時に弁才天のトンネルを通っている。木津の旧トンネル、一度ちゃんと調べたい。
6月16日
一日担ぎ通し。新道峠→白髪峠→請取峠→高見峠→西杉峠。新道峠は江戸時代に開削、請取峠は上田口(弁才天)の伊勢本街道の延長として車道化されていることを最近知った。なるほど確かに、付近の峠群の中では最も平坦に近い。夕暮れの西杉峠。
6月17日
休息日。青少年旅行村のアスレチックで日記を書いたり昼寝したり。御杖村の商店で何故か感謝される。
6月18日
移動日。無くしたインフレを名張の細川自転車商会にて購入。地味にパーツが豊富。そうしてそのインフレを今でも使っている。シンプルだが使いやすく頑丈だ。√165旧道泊。
6月19日
荷物をデポ、青山山地?をうろつく。√165旧道→青山高原道路→布引峠→塩見峠(with非常に嫌らしい丸木橋渡り)→布引峠→桜峠→√165旧道。ミニ八十八ケ所巡りする。
6月20日
雨。体調も良くなく連泊。飯を買いに下界に下ったのみ。

[橋梁] 叡山電鉄のポーナルガーダー

昭和5年開業の路線に英国式ガーダーが使われている不思議。叡山電鉄の前身・鞍馬鉄道は京阪と京都電燈の共同出資。京阪は明治43年(だったっけ)開業だから直接的には無関係か(開業時によそから買い受けた→さらに流用、の可能性はあるが)。京電というのも微妙。明治20〜30年代に開業していたのは伏見線のみ。せめて銘版でもついていれば。。。

なお確認できたポーナルガーダーは市原〜二之瀬間に2スパン(名前忘れた G / 二之瀬橋梁 g+G+2g)、貴船口〜鞍馬間に1スパン(鞍馬第一第二橋梁 g+G+7g)。高瀬川橋梁、市原駅の直上の橋梁はノーマルのリベット打ちガーダー、貴船口手前はI鋼桁だった(平坦線は鉄材供給で運休になっている。市原までと市原より上流は開通年度が違う。残り2橋は?)。


2008-06-21 なわだるむ この日を編集

[独言] 発掘

CPUファンコネクタ用の変換アダプターを探すついでに部屋を片付けた。押し入れの中を漁っていたらこんなものが。

画像の説明MC68040。Quadra840AVから取り出した40MHzプロセッサ。当時はこれでも爆発的に速くて感動したものだ。いつかヤフオクで売っちゃろうと思いつつ死蔵したままで忘れてた。

今じゃこれが使えるマシンを探してくるのも大変そうだな。欲しい方がいればさしあげます。ピンがかなり曲がってるので注意。

…で、お約束通りコネクタは見つからず。ああいいよもういいよ切れたよということでコネクタをバラしてピンを突っ込んでやった。とりあえず回ってる。左から緑・黄・黒ね>nagajis

[独言] 布団が。

掃除のあいだ雨が上がっていたので油断してベランダに布団をかけていた。気づいたら雨が降り出していてびしょ濡れだ。まあいい。寝袋がある。

[独言] 書く

提出テスト原稿をあらかた書いた(残りは追加情報待ち)ので廢毒を書く。がりがり書く。書きながら渋いキーを外してシリコングリスを散布してまた嵌めて打って。そろそろ希望のタッチになってきた。できればも少しスペースバーが長けりゃなあ・・・。Pro Keyboardがなつかしい。

今回は村田鶴作品集でございます。要は倶楽部の報告書の焼き直し。ただし倶楽部に書けてないこと3年分が含まれている。>と書いてみたが3年分でたったあんだけか、とも思う。


2009-06-21 この日を編集

[ORJ] 原稿書いている

川上村縦貫、柏木、国栖、五社隧道、あちこち飛びながら書いている。足せば前号と同じくらいの量書いてるんだが重要なところが抜け抜けで全く出来上がってこない。あとで埋めるのが大変そう・・・。

今月中に一度川上村へ行きたい。五社峠周辺だけでいいから。

[独言] KINIAS

KINIASのほうも進行中。でもあれだなあ・・・かなり駆け込み乗車になってしまった。残りはまた夜に。

[web] 大失敗/サムネール/pdbスパム

県別リストのアドレスをhttpsにしてしまったためかなり負荷をかけている。無駄に画像を引っ張ってくるだけにもったいない/迷惑な負荷だ。共有サーバであるせいか、.htaccessでhttpsで始まる場合だけ弾く設定はできないようだ・・・。googleに拾われてるからメニュー変えても意味ないのよね、ということでファイル名変えておいたので消してください>googleせんせい

ついでに画像の転送量を減らすべくサムネール画像を用意することに。ちと本末転倒な気もするけれど今のうちにやっておいたほうがよかろう。

pdbのスパムチェック。とりあえず表示はされてないが無駄にlogされているのだな。edit.phpの下の方に入ってしまう。今来ているspamはno=をインクリメントして順に書き込んでくるのがちょっと厭らしい。反映されないので途中で諦めたようではあるが。

まとめ:現状、ディスクスペースを6GB消費している。まだ半分にも満たない。有り難いことだが抜本改善するのが3年後になりそうだ。今の購読システムではディスク容量が尽きたらお終いだもんね。

[web] refererスパム対策

天に唾するようなものだが・・・.htaccessに

Deny from 202.172.24.0/21

を付け加えておいた。該サーバから何らかのアクセスをしたりpingを飛ばしたりすることはないからね。

[奇妙なポテンシャル] #108

近くの建売分譲地でこんな看板を見つけた。

価格破壊
オープンハウス

価格破壊の波がついにここまで。苦労の程はよくわかるつもりだが、どうあがいたって家買えるわけがないので私には無関係である。それよりも頭のなかで瞬時に

家+破壊=オープン

みたいな図式が出来上がってしまい、独り納得行かなかった。価格破壊しないほうがよい売り物もあっていいんじゃないだろうか。


そもそも「価格破壊」という表現がしっくり来ない。札を小銭に替えてもらうのも「くずす」っていうし、価格を破壊しても払わねばならない総体量は変わらないのではないか。

1000
 ↓破壊
100+100+100+100+100+100+100+100+100+100

ORJを価格破壊した場合を考えてみた。1号10円×40ではどうだろう。ダウンロードを一回試みるたび10円差し引かれる。40回ダウンロードしてようやく1号得られる。

…面倒だ。夜道で後ろから腐った大根を投げ付けられそうだ。

ならばプログラム側で処理すればいい、と思った。俺頭よくね?

$broken_kakaku=10;
if($zandaka>400)
 {
 for($i=0;$i<40;$i++)
{
  $zandaka-=$broken_kakaku;
 }
}

このコードを入れるだけで価格破壊だ。ORJも明日から価格破壊だ。うんそうしよう。


価格の概念を壊した、という意味であるかも知れない。しかしそんなことをしたら商売にならない。飴一個ホニユシ円だとかホットドッグひとつ27℃円だとか請求されても困る。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ とと [価格破壊。先に読者が示した価格分、見合った執筆量にするとか。カオスだ…。]

_ nagajis [個人的には(ほんとに個人的な理想で、実行される見込みはありませんが)読者のみなさんが価格を決められる仕組みができないかなあと思うことがあります。代金後払いで、読んだ感想によって価格を決めるという・..]


2010-06-21 この日を編集

すべて自己完結するので何もする必要がない。たとえば

やる気が削がれる>勝手に削がれてろ

利用されるだけの人>それで満足しろ

人はさあどうだか知らない。推測しても無駄だから取り合わないほうがよい。


2011-06-21 この日を編集

[独言] マウスなおした

画像の説明教えていただいたパワーソールをつけても微妙にビビルので業を煮やしてパチもんマウスの光学系と交換したった。これで完璧。

[奇妙なポテンシャル] #238

画像の説明不法投棄の番人が更新されていた。ていうか、誰?

[ネタ] やっとわかった

画像の説明なるほど、そう来るか。2車線+地下鉄複線+2車線。しかし現橋台とは少し形状が違うようだ。2号・3号橋脚は凹凸が逆なのである。

主塔形状と支承の形状がわかる肝心の一枚がボケボケだったという体たらく。明日撮り直してくる。

島津製作所に対して設計模型を発注したこの書類がなければ横断図はわからんかったかも知れない。そもそも吊り索はどういう作りにするつもりだったのか。見た感じ清洲橋によく似ているが詳細設計が見当たらぬ。


2012-06-21 この日を編集

[企画] 明治神宮外苑道路の写真を下さい

記事で使いたいのでどなたかお願いしたく候です。詳しくは説明しますのでnagajis@the-orj.orgまでご一報ください。


2013-06-21 この日を編集

[近遺調] かいた

満足した。

今さら思ったのだが、遷都1300年を大々的に祝ってせんと君まで作ったような奈良県なのに、なんで2600年の再評価をしないのだろう。あれはなかったことにしたいのだろうか。もう充分風化しているし、あと100年もしたら日本人の大部分が (1300年も含めて) 「なんで?」と思うに違いない。 歴史の教科書に 「バツが悪いのでなかったことにしました」と書かれるか、それさえも書けずに250年前の明治維新すごいで終わったままかも知れない。んで裏で裏話だとか知られざる真実だとかがまことしやかに風説流布るのだ。「今調べなくてもいいのでは」という言葉は正直落胆した。そういう意識だから100年前の煉瓦の作り方さえわからなくなっているんじゃないか。「耶馬台国は実は○○にあった!」的な本で書架1つが埋め尽くされている現状を、笑って見ている分にはいいが、それが明治大正昭和初期まで対象になったらえらいことになるぜ。

あるいはそうか、ただ経済効果を期待して便乗して祝ったに過ぎないことがバレるのが嫌か。空想の人物の生誕から空想で2600年を数えて国を挙げて祝ったというのも考えてみればとんでもない空騒ぎなのだが、「先を案じて」やったという点では2600年事業のほうが真摯だろう。そんな祭りの後片付けをしないまま次の祭りが始まって終わってせんと君だけが残っている現状も異常と言えば異常である。

そういう「根拠薄弱な空騒ぎ」が奈良県の特色であるのかも知れない。観光で人を呼び続けなければ存続できなかった県ではあるからな。

聞かれてもいないことを口走ってしまう癖はどうにかしたほうがいいぞ>nagajis。道路の項目がないことを聞かれたのであって、別に写真では伝わらないこととか切り通しの年代が確定できないとかいうことは聞かれちゃいない。「あってほしい」の一言で済む話だ。ただ冒頭のwhy-becauseが現場では思い至らなかった。それを踏まえた上で言えば「なくてもよい。かわりに2600年事業と公園入れて」だ。東熊野街道は奈良県全体の特色とは言い難いから。それなら西熊野街道天辻隧道で事足りる。

[独言] しまった

昭和12年以降の工場通覧は二年前の一ヵ年の調査結果なのだよな。統計書はみな前年の結果なのでぜんぶそのつもりで作ってしまった。この辺は泉南市年報の丸引用だし中間点だから特に大きな影響はないと思うけれど、他県のを作る時は気をつけておかないといけない。その論調でいくと大和煉瓦は昭和13年頃には操業停止。載らなくなった即ち廃止とも限らないけどね。従業員が10人を割っただけかもしれんし。

[独言] しまった2

「T」刻印を東洋煉瓦と推定したのは早急すぎたかも知れない。兵庫には大正煉瓦があり戦前まで操業していた。京都には市街に竹村煉瓦があった。現状淀川以北にしか見つかっていないのならそのどちらかから流入してきた可能性がある。江州煉瓦が茨木まで来ているくらいだからなあ。

東京銀座の煉瓦街を築く時、煉瓦が不足して大阪まで打診が来たらしい。実際に採用されたかどうかは不明だが見本を納入したりはしたようだ。明治初年代ゆえの珍事だろう。

[近代デジタルライブラリー] 柳田翁没後50年

ゆえにいろいろな著書が掲載されつつある。蝸牛考は実はまだ読んだことがなかったが導入が珍しく固くてとっつきにくかった。 むしろ大日本山林会の山間語彙集のほうが興味深く面白く読めた。また今度、もっと精神にゆとりのある時に読もう。

バカアホの境界とか雑煮の中身とかは蝸牛考の頃から進歩してないのだよな。言葉を集めて分類してみて、さてどうするか。境界がわかったよということは確かに面白いけれども、それで国民生活が豊かになるかどうか。民俗学は何を意図した学問なのか(何を意図して始められたのか)を考えてみたくなる。

最初はそうやって、国の隅々で言葉が違い、あるいは同じであることを不思議に思い、取り集めて分類してみようという純粋興味から始まったはず。方言採集が盛んに行なわれ、その結果京を中心とした同心円状に似た言葉が分布している傾向が見えてきたりした。けれども多くは採集しただけで終わった。いつまで経っても集め続けられるか、あるいは全く集まらない空白地域があったり。そこが埋まるまで待っていられなかったり自分が言い出したことゆえ少しは進捗していることを表明するために柳田翁がまとめることもあった集めた結果をどうするのか、何に用いるのかという問題は常に考問題提起として掲げてある。

そうやって地方の違同に気づくことで、日本の隅と隅とで同じ話題を語らい、心置きなく意思疎通ができるようになることを願っているとどこかで読んだ記憶がある。方言の通用するエリアでは腹のうちを方言で言い合えるから問題ない。しかし青森と鹿児島の人間が心の襞までわかりあうためには互いの方言を理解しなければならなかった。あるいは標準語という不恰好な服を着てつき合うか(そんな下手な比喩じゃなかったはずだが思い出せない)。方言採取と分類は前者のための下準備という意味が強かった。しかし標準語教育が思った以上に進んでしまい、まるで標準語じゃなければ日本語じゃない的な世の中になってしまって、方言採取の意義が薄れてしまった。翁の晩年の頃にはすでに、消え行く言葉を残しておくという消極的な目的か、「こんな変な言葉がある」という面白おかしい話のネタとして集められる程度のものになっていた。(確か標準語教育にも噛んでたんじゃなかったっけ。自分で自分の首を締めた格好だが意思疎通の潤滑化という目標は達した)

(方言採取ばかりが民俗学じゃないけれど)民俗学の成立と変化はいろいろな教訓を与えてくれる。廃道にも通じるところがある。行ってどうするの。書いて残してどうするの。「こんなのがあった!」を報告するだけなら誰だってできる。たくさん集めることだってそれはそれで意味があるかも知れない。しかしその先をどうするのか。個々事例から共通項を見つけ出して人間心理に迫るとか何とかしないと一過性で終わっちまうよなあ。と常々思う。だから技術史を横糸にして考えたりするのだけれども、ハナから興味のない人にはよけいな蛇足としか取ってもらえないらしい。


2017-06-21 この日を編集

[奇妙なポテンシャル] 裏にする心理・あるいは真理の裏を読む

画像の説明今日出会った不思議な本。ものは橋本治著「桃尻語訳 枕草子 中」単行本である。

画像の説明カバーの裏表紙に見たことのないシミ汚れがあって、そのシミ汚れを隠すように修正液が塗られていた(写真はその修正液を除去したあとの姿)。いくらアルコールで拭っても取れない汚れに「?」と思ったのだが、カバーの裏から滲みている汚れだと気付き、裏返してみたところ…。

画像の説明

こうなっていた。

何とも言えぬ滋味がある。背後にある物語を想像させる---正確に言えば正しく想像し得ないで困っているのであるが、ともかく何かの想像を換気扇、もとい喚起せんとする魅力を包蔵しているように思われてならない。名人のものした一幅の書にも比肩する魅力を感じてしまう。これこそ正道の奇妙なポテンシャルといったところである。

カバーには裏返して使用していた跡が確かにあり、「マンガ」面を表にして読まれていた、あるいは保管されていた期間があったのは間違いない筈なのだけれども、この本をマンガと偽らなければならなかった理由が想像がつかず、先ずそこで躓いてしまっている。逆はあり得ると思う。エロマンガのカバーを裏返して真っ白にした状態だとか、あたかも実用書のように見せることのできる印刷のされたカバーだとかを時折見る。「萌え単」などはそうではなかったか。個人的にはそういう逃げ腰を逆に羞恥の現れとしてしか観ることができず気に食わないのだけれども、それはまあ余事として措き、読んでいることが知れると不都合なものの代表格がマンガであって、それ以外の一般書籍をマンガに偽装せねばならないという状況は、なかなかないのではないか。そして元来この本はそこまで周知の羞恥を慮る必要のある本ではないはずなのだ(詳しくは「桃尻語」「橋本治」で検索されたし。自分は読んだことがないので迂闊が言えぬが多分「春はあげぽよ~」とか書いてあるに違いない---いやそれ上巻だから---)。崩した文体で書かれた枕草子しかも中を読んでいることよりもマンガを読んでいることのほうが知れ渡った折柄の都合が良いという環境が、想像がつかないのである。

無理矢理になら幾らでも思いつく。例えば言葉遣いの躾が厳しい上級階級の才媛子息が所有していたもの---名古典をばそれに似つかわしくない砕けた文調もて摂取していることが周囲に知れると不味いと判断し偽装した---と想像することは可能だが、どうだろう、そういう家庭ではマンガのほうが悪影響を与えるものとして排除されていそうではないか。それにこの字は才媛の手草には見えぬ。だいいち才媛であるならば油性ペンで書いたら滲みてしまうだろうことに書き始める前に気づいてほしい。塗り始めて「アッ」と思い剰え途中で辞めてしまうというのは随分なしくじりであるし而もそれを修正液で隠そうと試みていたのは尚更迂闊であるだろう。

逆かも知れぬ。マンガも買ってもらえぬ貧しい家庭で、親に当てつけるために表紙だけをマンガにしたこの本を、座右の書として置いていて。そして「検非違使の袴って卑しげよねー」とかいって笑うのである。・・・ってその最初の「枕草子中」はどこから持ってきたんだよっていう話か。

そもそも「マンガ」と書くことで漫画と見せかけようとしたと推測するのが間違っているのかも知れぬ。そう書かれた本が実際に目の前にあったとして、誰がその本をマンガと信じるだろうか。誰もが少しは疑ってかかるに違いないではないか。おでこに「額」と書いて出歩く者などいやしないのだし、「肉」と書けば即ちキン肉マンになれるかというと、そうではあるまい(あるまい?)。

桃尻語訳の枕草子中をマンガに偽装することを試み、途中で過失に気づいて修正液で隠さんとした、という一連の行為は過たず読み取ることができる。しかしその行動の本意はわからない。そのような本である。もう少しじっくり、製作者の心に寄り添って考えれば、わかりそうな気がするが、さりとてそれがわかったところで私の人生に於て何の足しにもならぬことは、正解を知る前からわかりきっているのであった。人はそれを「約束された未来」という。即ちこの本には未来が詰まっている。古本という過去に、今現在奇ポテを持て余している私を加えれば総ての時間軸がこの本の周りを取り巻いている。何とも壮大なことである。


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